From Kazumasa Maruo
detune. / オレンジズ / 木村ひさし& THE NEW VOLCANO

マルオエイド 2009

自分のイベントをやってみたいなぁ〜、と思って、軽い気持ちで始めました。
まず最初は2006年1月4日、この時はただ単に思いつきですね。
目立ちたいとかチヤホヤされたいとか。
とにかく仲間に囲まれて一晩中ドラム叩きまくりたい、みたいな。
で、イベント名は『丸尾エイド』。これも思いつきです。
中学生の頃にあった、『バンド・エイド』を真似て、丸尾和正救済!
何から救済するのかはわからないけど、とにかく仲間にチヤホヤされて、満足したい、自己満ですね。
よくみんな付き合ってくれました。本当に感謝してます。

いざ自分で企画してみると、あれもやりたい、これもやりたいで、どんどん欲張りになっていくんです。
あいつも呼びたい、こいつも呼びたいとかでゲストもどんどん増えて、更にツインドラムもしたいとかで、ドラムセット二台並べて、ドラマー沢山呼んで。
もう、ガッチャガチャですよ!
詰め込み過ぎ。

でも、それもまた楽しくて。
今思うと、はた迷惑も甚だしい。出演者もお客さんもスタッフも、みんな疲れたと思いますよ。
つくづくみんな、よく付き合ってくれました。
まさに他力本願ですね!

場所に関しては高円寺ShowBoat以外は考えられなかった。これははっきりしてる。これだけは。
住んでるのも高円寺だし、大阪に住んでる頃から思い入れの深い憧れの街だったし、憧れのミュージシャンがいっぱい出演しているハコだしで。
そして何より、店長の台信正典とはまぁ、友達というか、飲み仲間というか、親友というか…。とにかくお互い持ちつ持たれつの同志というか、なんと言うか。
一緒に考えて一緒に企画した感じですね。一緒に盛り上げようって。
だからこそ台信正典も毎回出演している訳だし!キーボードで。
そうそう、だから『丸尾エイド』は、高円寺ShowBoatと僕との共同企画とも言えますね。台信正典と仲良くなかったら思いつかない事だし、やってなかったかも知れない。縁です、縁。

そんな訳で、二回三回と続く訳ですが、正直毎回、「もう来年は絶対にやらない!」って思うのですよ。必ず毎回。
死ぬほど楽しいんだけど、すっげー大変だし疲れるしで。
いや、当日や本番はねぇ、楽しいだけなんですけど、それまでのプロセスが大変で。
出演者のスケジュール合わせてリハしたりとか、気持ちの上でも丸尾和正って冠で耐えうるのか?とか考えると、ソワソワしたり自信なくしたり…。
でも結局快感なんですね。やってみると。しんどい事は忘れちゃう。楽しい思い出しか残らない。
古い恋愛と同じです。
その時はつらい事沢山あったとしても、思い返せば楽しい事しか思い出せない。
だから毎年、なんやかんや台信正典と呑んだりしているうちに、「じゃあ今年もいっちょ、丸尾エイドやるか!」みたいになって四回目ですわ。
まったくもって無反省ですね。

でも、でもね…
これでも毎回毎回、前回の反省を踏まえたりしながら、より良くしようとは頑張ってるんですよ!自分で言うなって?!
イベントとして出演者もお客さんも、そして自分も思いっきり楽しめるものにしようと。
結果、毎回自分は楽しいのですが…。

そんな訳で今回はいろいろ考えたり、反省したりした結果、よりシンプルにしようと思い、3バンドでガッツリ、ツインドラムもナシ!となった訳です、ハイ。
詰め込み過ぎると、焦点がぼやけるというか、ただ賑やかなだけで終わってしまうんじゃないかな?と思って。

とにかく裸になりたいですね!出したいんですよ、自分を。
自分の言葉でしゃべってるような、感情剥き出しのドラムを叩きたくて、それを観てる人に届けたい。
結果として、観てる人にとって、僕のドラミングが印象的じゃなくてもかまわない。この曲いいなぁ〜。このバンドカッコイいなぁ〜。この声いいなぁ〜。とかなんとか…。
人の心に突き刺さるような音楽をやってる仲間ばかりだから、『何か』を感じとってくれると嬉しいです。
その『何か』は、僕が携わっているモノだし、僕が叩いている訳だから、ドラミング云々じゃなくて、音楽として、全体の印象として『何か』を観てる人に残す事が出来れば最高です。
そして願わくばその『何か』が、観てる人にとって元気や勇気や活力に成り代わるモノであれば言うことありませんね!なんせ僕は思いっきり楽しむだけです。
僕が素晴らしいと思っている仲間と、素晴らしい音楽を思いっきり出し切るってだけです。
そこに自分が居るという事が僕の存在意義だし、それはドラミング云々じゃなくて、音楽そのもの、いや、音楽じゃなくてもいい、その空間に漂う高揚感かも知れないし、その形に見えないモノを作り出している一員であるという事が一番大切なんですよ。
それは観てるお客さんも、演奏してる出演者も同じ。
そこに集まった人と最高の夜にしたいと思っています。
最高の瞬間を共有したいと考えています。
キッカケが丸尾和正だったというだけで、素晴らしい音楽がある場所は必ず素晴らしい空間になるという事を実感して頂きたいですね。
それが四回目の丸尾エイドのテーマですわ。

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detune.

彼らは一回目からずっと欠かさず出演してくれています。ありがたい。
出会いは随分前になりますが、なんせ僕が彼らの楽曲に惚れ込んだ形ですね。
とにかく素晴らしい。素晴らしい世界観です。
ギターの石塚周太から、ライブをやる為のサポートメンバーがいないかと相談された時に、絶対に完璧なメンバーで固めたいと思い、かねてから尊敬していた、セロファンやタマコウォルズのベーシスト、河野薫を誘った。
はっきり言って、この人選には我ながら物凄い自信がありますね。
そして、このベーシストの事は、無条件に敬意を払っているし、心からリスペクトしています。
あくまでもdetune.は郷拓郎と石塚周太の二人のユニットであることは言うまでもありませんが、ライブの為に集まる4人、つまりdetune.の二人と河野薫、僕の4人は紛れもなくバンドそのものだと自負しています。
初めて河野氏を交えて音を出した時に感じた強烈な手応えは、今でも手に取るように覚えています。
いゃ〜、興奮しましたね。まさにケミストリーが起こっているのを実感しましたよ。

そして、その興奮は未だに醒める事なく、丸尾エイドのためのリハーサルでも興奮しっぱなし!
素晴らしい才能の人達です。
楽しみにしておいて下さい。

あまりに美しい旋律は、時として怖くもあるぐらい。

ただただポップなだけじゃない、ジワジワ細胞に染み込むような名曲を生み出す郷拓郎の声は、未来のロックを思わせますね!

そして、グランジ経由でオルタナティブなギターを弾く石塚周太は、ここ数年僕が絶対的に信頼をおいているミュージシャンです。

心のこもった荒くれ者とでも言いましょうか?!とにかく素晴らしい男ですわ。

detune.は最近セカンド・アルバムをリリースし、いろんなメディアでの露出も活発ですね!

これからが非常に期待出来るユニットです。

 

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オレンジズ

このバンドは今年で結成16年。ショーボートと同い年やね!長い。
因みにClingonは15年。休止してるけど…。

16年間ずっとコンスタントに活動(ライブやリリース)し続けるのって、凄いパワーですよね。
何度かのメンバーチェンジはあったにせよ、一貫したコンセプトを保ちつつ、ずっと現役であることは、並大抵の事ではありませんよね!
全てはリーダーであるジェフさんの妙なバイタリティの賜物だと思います!
はっきり言ってまともな大人とは思えない?!人なんだけど、ロックに魅了された10代の初期衝動を、今もまだ全く変わらない形で持ち続けている、本物のミュージシャンだと思います。

とにかくロックである事に掛けては真剣そのものですね、あの人。
だからスッゴく尊敬してるし、同時にたまらなく愛くるしくもあります!
ハードコアなモッズ・キッズを経て今がある人だから、こだわりも凄いですわ。

このジェフさんと、ベーシストのロビンさんは、オレンジズ以前のキャリアも凄い人達で、敢えてここでは触れませんが、僕が10代で大阪に居た頃から名前は知っていた大先輩達です。

ロビンさんは、とにかくアンサンブルに対するこだわりが物凄く強い人で、コーラスパートの美しさは、この人あってのって感じっすね!

僕が参加するキッカケは、ギタリストのネロ君と知り合った事ですね。
お互いサポートのライブで対バンして、なんか意気投合して…。
何話したとかは正直あんま覚えてないけど、ギターがカッコイいなぁという印象がスッゴくあって、「一緒に音出したいね…。」みたいなことを下北沢あたりで話した気がする。

丁度そんな時にオレンジズの前任ドラマーが脱退するとかで、セッションに呼ばれて、吉祥寺のスタジオで音出したのが去年の夏。
ザ・フーとかT・レックスとか、セックス・ピストルズとか、キンクスとかの曲をやったんだ。
なんかすっげーワクワクしたのを覚えてますね!

その時に自分が、割とオーソドックスなスタイルのロックを高校生ぐらいの時以来、あまりやってない事に気づき、これは臨むべき事山積みだなと感じたんですよね。
一度しかない人生、ロックが好きだと言ってる割には雑食なモノばかりやってきた感じがしたから、ここは一つ、キッチリと向き合っていかなアカンなぁ〜と思い、オレンジズに臨む事にしたんです。
それに、何よりも楽しそうだった!

実際やってみると、今まで自分がおざなりにしていた部分がどんどん浮き彫りになり、結構苦労もしたんですが、それもこれもやりがいのある挑戦で、全部ひっくるめ楽しめてますね!
不得意なテンポやノリが多いオレンジズの曲を、自分の言葉で喋れるような感じで叩けるように、試行錯誤しましたが、これは自分の音楽人生の中で、絶対に乗り越えるべき事なんだと、強く強く思ってます!

オレンジズでは、初期衝動を思い出して、常にドキドキワクワクしながら向き合える感じがたまらなくて、高校生の頃みたいにがむしゃらな気分でドラム叩いてる自分に気づく事が多々ありますね!

『ロックは絶対に楽しいモノ』って事が伝わる最高のショーをお届けする事を約束しますよ!

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木村ひさし& THE NEW VOLCANO

きんちゃん(木村ひさし)はまさに盟友ですね。
若い時から、Clingonを通して楽しい事も嬉しい事も、辛い事も悲しい事も、沢山沢山共有して来たし、同じ夢を共有してきた。
全てに近いぐらいに知ってる間柄ですわ。

でもこの際やから、包み隠さずに言うけど、Clingonが休止してしばらく経ってからは、一年以上逢ってない時期もありました。
僕の方に妙な対抗意識みたいなんがあってね。きんちゃん居らんでもバリバリ出来るで!みたいなところを示したくて。

ホンマはClingon休止して、絶望的な気分だったのを、色んな形で紛らわせながら生きてましたわ。
なんせ、休止前のラインナップ、木村ひさし、小林浩士、村田シゲ、僕の組み合わせは、物凄く気に入ってたからね!
ショックもデカくて、音楽辞めようかとも思ったぐらい。
でも、音楽好きやし、合奏好きやしで、いろんな仲間と知り合って、生き甲斐感じてるうちに、これはイケるでと。
Clingonでやってた時を超える楽しさ掴もうともがいてました。

結果、Clingon云々じゃなく、過去の自分よりも純粋に音楽を楽しめるようになったと言うか、純粋に愛せるようになって…。
そうなるまで、きんちゃんと連絡とってなかった。

キッカケとかは忘れたけど、去年ぐらいから自然と連絡とるようになって、今に至る訳っすわ。

久しぶりに一緒につるんでみて、つくづく感じたんは、「自分の為に音楽があるんじゃなくて、この目の前に生まれた音楽の為に自分が存在する。」と言う事。

地元が同じで、歳が同じで…とかの腐れ縁的なモノではなく、この人とまだまだやる事あるんやなぁ〜、って感じたんですわ。

お互いよく知った仲やけど、襟正すとこは襟正すし、付き合い長いけど、あんまりなぁなぁにはなりにくい組み合わせなような気もする。

めちゃくちゃ信頼もしてるけど、ライバル心もあるしね!
しかも、ここ数年のきんちゃんって、周りから結構達観した人みたいに思われてる気がするけど、彼に何か突っ込めるのって、僕ぐらいしか居らんのかなぁ〜?とも感じたりしてて…。

僕が高円寺で培ったモノをきんちゃんに沢山伝えたいっていう気持ちもあるんです。

同士として、お互い気張って、真剣に楽しんで、みたいな事を実践できる相手です。

お互い人生賭けてますからね…。

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